HP 2910al-24G Switchの使い方!(コンソールに入るまで)

こんにちは。えむえすです。

今回は年末年始散財で買ってしまったL3スイッチHPの2910al-24Gの使い方を紹介していきます。

※この記事は信頼できる情報ソースをもとに書いていますが、翻訳時のニュアンスの違い、バージョン差異、読者様側の機器の物理的破損などの要因により、一部、記事と状況に相違が起こる可能性があります。
あくまで、当記事は英語ソースを日本語圏向けに簡略化した物であり、もし問題が発生した場合にはこの記事最下部にある英語ソースを参照してください。

端子とボタン

操作に必要な端子とボタンについて、すべて解説します。

前面

※画像は公式マニュアルより引用(ロゴの有無は個体差がある?ようです。)
まず、一番左、上からパワーLED、故障LED、ロケーター(識別用)LEDです。
その下にコンソール用RJ45があります。(コンソールケーブルの配線が特殊なので後記します)
次に、右に行って、上から大きなボタンが一つ、下に小さなボタンが2つあると思います。大きなものがポートのLEDに表示する情報を選択するものです。(アクセス情報の表示のみではなくリンクスピードなどを表示できます。)
下の小さなボタン二つは左がリセットボタン、右がクリアボタンです。
その右上部にある2つのLEDが背面にさせるモジュールとRPSのLEDです。(RPSについては後記します)その下にあるUSBがUSB コマンド ファイルを処理するための補助ポートです。
右側のRJ45がすべてで24ポートあり、全ポート1Gbpsに対応しています。
次に、RJ45の右側にあるのがSFPポートでこれも1Gbpsに対応しています。
※ステータスランプに10Gの記載がありますがデフォルトのRJ45やSFPは10Gに対応していません。拡張カードが必要です。

側面

側面にはファンの通気口があるのみです。
エアフローは前面から見て右から左方向に流れるようになっています。
恐らく設定での変更はできません。(ファン回転数制御もおそらく手動ではできないです)

※画像は公式マニュアルより引用

背面

※画像は公式マニュアルより引用
最後に背面には左から大きな銀色のカバーが2つあると思います。
このカバーをとると拡張カードをさすことができます。
もしSFPポートなどのついたカードが刺さっている場合はおそらく10Gbps対応のSFP+に対応した拡張カードです。
その右側の青ポートがRPSインプットです。RPSとはReceive Side Scalingと呼ばれるネットワーク処理のCPU負荷を分散する仕組みです。RPS 電源専用の外部電源は型番が「J8696A」です。この冗長電源関連は私自身、運用経験がないので他記事の参照をお願いします。
次にその右側のオレンジのポート(無いモデルもあります)はEPSインプットです。
EPSはElectric Pipe Shaft(Spaceともいわれます)、日本語訳で電気配線シャフト(スペース)のことで分電盤やMDFから各階に電気、通信回線を配線する場合に使用されます。
※RPSとEPSは冗長電源のセットアップに使用するようです。
その右側にあるのがおなじみ電源ポートです。
100~127 ボルトと 200~240 ボルトの間の任意の電圧および 50 または 60 Hz に対応ているようです。電圧範囲の設定は必要ありませんとのことです。
※電源スイッチはありません。コンセントが刺さると自動で通電します。

設置とテスト

では、さっそく起動していきます。
最初に電源ケーブルを刺す前にいくつか確認する点があります。

セルフチェック

まず、セルフチェックを行います。電源に接続してしばらく待って先ほど見た故障LEDなどが点灯せず、起動すれば問題はありません。
一応マニュアルより翻訳したものを引用します

• 最初は大体の場合、すべてのステータス、LED モード、およびポート LED が点灯します。

テストの期間
• ほとんどの LED が消灯し、フェーズ中に再び点灯する場合があります。

セルフテスト
セルフテスト中は、テスト LED が点灯したままになります。

セルフテストが正常に完了すると、次のようになります。
• 電源LEDとファンステータス LED は点灯したままになります。
• 障害LEDとテスト LED が消灯します。
• スイッチ前面のポート LED が通常の動作モードになります。
– アクティブなネットワーク デバイスに接続されている場合、ポートLEDは選択したLEDモードに従って点灯します。デフォルトの状態ではポートのリンク状態を示すLED が点灯するはずです。
– アクティブなネットワーク デバイスに接続されていない場合、ポートLED は点灯しません
LED 表示が上記と異なる場合、特に次の場合
障害 LED とテスト LED が 60 秒以上点灯するか、点灯し始める
点滅している場合は、セルフテストが正しく完了していません。
セルフテストが完了するまでに約 50 秒かかります。

 

オプションとラックマウント

正常動作を確認したところで次にオプショントパーツ(先ほどの10Gカードなど)の取り付けとラックマウントです。
もしオプションやラックマウンとの必要がない場合はこの手順は必要ありません。
ラックマウントを行う際は安全のため必ず電源コードを抜いて行ってください。
また、オプションパーツはホットプラグ可能ですが、認識のために再起動が必要となることがあるため、基本的に停止した状態で行うことが望ましいです。
SFPは少し特殊(?)なようでシスコなどいくつかのメーカーの1GSFPを装着しても認識されませんでした。
HP純正を購入し見比べると基盤がかなり違いましたので一応記載しておきます。

設置

ラックマウントをしない場合は任意の位置に設置する必要があります。
もし設置する場所が決まっていない場合は以下の点を参考にしてみてください。
・空気の流れを考える(排気口と排気口の近くに物を置かない)
・排気口側に冷却する必要のあるものを置かない(スイッチの熱気であったまってしまいます。)
・オプションカードをつける場合は背面側にも余裕をもっておく(光ファイバーは曲げすぎると折れて通信できなくなります)
※公式マニュアルには以下のような条件が記載されています。
 ・スイッチの前面には、少なくとも 7.6 cm (3 インチ) のスペースを残してください。
 ・スイッチの背面には、少なくとも 3.8 cm (1 1/2 インチ) のスペースを残してください。

再テスト

セットアップに入る前に設置後に再度、電源ケーブルを接続し、スイッチが正常に動作するかセルフチェックの終了を見守ってください。

起動

ではいよいよ起動していきます。とはいえ、実はセルフチェックが終わった段階で起動しているのでもうコンソールに入るだけです。

コンソールに入る

では、コンソールに入っていきます。
コンソールへの入り方は2つあり
・前面のRJ45からの有線接続
Telnet
となっています。

シリアルポートを使用する場合(ケーブルの接続)

簡単なのは前者の前面のRJ45からの有線接続です。
ケーブルを持っている場合はRJ45を差し込んで、シリアルポート(9PIN)に差し込んで次の手順へ進みます。
もしPCにシリアルポート9PINがない場合はシリアル→USBの変換ケーブルを購入してください。
難しいのはケーブルを持ち合わせていない場合です。
ない場合は市販ケーブルを購入してもよいですが、一般的なRJ45→シリアルケーブルとは配列が異なりますので使用できません。
ケーブルの配置は以下の通りですので自作されたほうが早いかもしれません。私は自作しました。

※公式マニュアルより引用
※似た形の端子として映像端子のD-subがあります。映像端子は15本のピンがあり、形状が異なるため9本のピンのD-subポートを探してください。

シリアルポートを使用する場合(コンソールへアクセス)

次にTeraterm等任意のターミナルエミュレーターを用意してください。(ここではTeratermを使用します)
まず、Teratermをインストールします。インストール後、起動すると以下のようなタブが開くのでシリアルを選択し、COM1など、シリアルケーブルを接続したポートを選択します。(どれかわからない場合は一つ一つ選択してみてください。)

接続後、何表示されない場合やエラーが出る場合、文字化けしている場合は以下の設定を変更してみてください。
まず、設定を押し、次にシリアルポートを選択します。

以下のような画面になると思います。

ここの設定を以下の通りにします(公式マニュアルより引用)

次の設定で動作するもの:
■ 1200 ~ 115200 の任意のボーレート (スイッチは速度を感知します)
■ 8 データ ビット、1 ストップ ビット、パリティなし、フロー制御は Xon/Xoff に設定

ただし、これ、少し怪しいです。私の環境では上の画像の状態で動作しました。
特にフロー制御を変更すると通信しなくなりましたので一応参考程度に書いておきます。
もし、文字化けが治らない場合や通信できない場合はケーブルを交換してみてください。

Telnetを使用する場合

こちらもTeraterm等任意のターミナルエミュレーターを用意してください。(ここではTeratermを使用します)
Teratermをインストールします。インストール後、起動すると以下のようなタブが開くのでスイッチングハブIPアドレスをホストに入力します。
そして、サービスをデフォルトのSSHからTelnetへ変更し接続してください。

これで接続できるはずです。

接続出来たら

接続が行えると以下のような画面が出ます(以下の画像は設定済みの画面です。実際は異なる表記がされたと記憶しています。)

お疲れさまでした。これで、コンソールへアクセスができました。

簡単なコマンドなど

少しだけですが、コンソールの操作方法も説明します。
まず、コピー&ペーストは右クリックと左クリックで行います。
Teraterm上でメッセージをウェブサイトと同じように選択し、左クリックでコピーできます。
右クリックをするとペーストできます。
このスイッチのコマンドを少し紹介して終わりたいと思います。

enable→マネージャーモードに入る
config→マネージャーモードで実行するとコンフィグに入れます。
show ○○→showの後に見たいものを入力するとみることができます。
例えばshow ipと入力すればip情報を見ることができます。
exit→マネージャーから抜ける際などに使用します。

以上です。使い方がわからなくても、何も入力せずにTABキーを押すとコマンド一覧が出ます。ですので、それを地道に翻訳しながらやってみてください。そこが楽しいところですから!!(コピペだけじゃ技術は身につきません.....。)

WebGUIについて

あと、WebGUIがこのスイッチには存在します。
ですが、JavaAppletというウェブサイト上でJavaを動かす技術のサービスが終了しており、現状快適に動作させる方法を私は知りませんので使用できないものと思って問題ないと思います。
ただし、快適でなくてもよいのであればブラウザ拡張機能からJavaAppletと検索すると表示は遅いですが使用はできました。
そのほかの方法(IEモードなど)は試しましたができませんでした。
その他何かお困りのことがあればTwitterのDMまでお願いします。

まとめ

こういうことを言うと古風な人間といわれるかもしれませんが、WebGUIというよりもCLIを使ってみることを私はお勧めします。
技術がつきますしTABとGoogle翻訳を行き来しながらだんだん英語がわかるようになっていき、だんだんVLANなど組めるようになっていくのはすごく楽しいですよ。
せっかくL3スイッチを買ったなら!CLIを触ってみてはいかがでしょうか!!もし何かしでかしても初期化すれば大丈夫なので......(笑)
最後までお読みいただきありがとうございました。
もし誤字脱字、誤情報などありましたらTwitterのDMまでよろしくお願いします。

情報の引用元

この記事を作成するためにHPE公式マニュアルを閲覧しました。
公式ページが見つけられず、他企業のマニュアル特集サイトから私はダウンロードしましたが、正しい経路ではない可能性があるのと、こういう類のサイトは数年周期でURLが変わるためURLの添付はしません。
必要な方は「2910al-24G マニュアル」で検索していただけると幸いです。
※公式マニュアルが多数ありますが「ProCurve 2910al Switches Installation and Getting Started Guide」というものが最もわかりやすかったです。
また、HPEが公開している「HP ProCurve Campus LANs」というPDFファイルも非常に勉強となりました。
このマニュアルは公式サイトがありましたのでこちらからアクセスできます。

では、シスコなどともコマンドが異なるため少し苦戦するかもしれませんがぜひ頑張ってください!!